ジオサイト「旧とうやこ幼稚園」
朝からジオサイト「旧とうやこ幼稚園」の除草作業に火山サポーターとして参加。ジオサイト維持の大切さを肌で感じました。
ジオサイト「旧とうやこ幼稚園」で除草作業をしました。ジオサイトとは、地球科学を中心とした自然・文化的みどころジオポイントをテーマごとにまとめ、ルートにしたものです。
2000年3月の噴火では、火口群は最初西山山麓にある無名の潜在ドームの山腹で開きました。多くの噴石が、火口から600メートル離れたこの幼稚園や周りの畑へ降りそそぎました。
幸い岡田弘北大教授が「現在のような活動をして、噴火しなかったことは過去にない。」とのコメントが出され、気象庁も臨時火山情報3号を出して「今後噴火する可能性あり」と伝えました。
翌日、気象庁は、緊急火山情報1号を出して「今後数日以内に噴火する可能性あり」と明確な噴火予知を行いました。それから50時間後の3月31日13時08分に噴火が始まりました。
このジオサイト「旧とうやこ幼稚園」では、建物の壁に噴石が衝突してできた多数の傷と穴があります。壁面にめり込んだままの噴石もあります。
本来なら、地面はでこぼこで噴石がぶつかった際の浅い穴ができた状態が見えます。園庭には、園児たちが水遊びしたひょうたんの浅いプールが見えます。でも12年間、ほとんど手入れがされず荒れ放題でした。幼稚園の周囲だけかろうじて小道の整備がなされました。
今日からジオサイト「旧とうやこ幼稚園」は変わりました。火山マイスター、火山サポーター、ジオパーク推進課などのおかげで当時の園生たちの声が聞こえてきました。みんなで旧幼稚園の園庭の除草をしっかりしました。
右端には、傾いたプールが見えます。水の表面が奥が一杯になっているのがわかると思います。プール手前は水が浅い。除草して噴火湾が見えます。今日の噴火湾最高でした。遠く渡島半島のランドマーク駒ヶ岳がきれいに見えました。
除草作業して数時間後、、、ある物体を発見!
子供たちが遊んだ滑り台でした。除草作業が進むたびに当時の園生がここでどんな遊びをしたんだろうと思い浮かびました。3年前、30数年ぶりに地元にもどり2000年の噴火を経験してませんが、当時のニュース、新聞記事が思い出されました。
今年登録した火山マイスターのお孫さんと一緒に下道も木を切りました。チビちゃん熱心でついついノコギリ持って頑張りました!
ジオサイト「旧とうやこ幼稚園」の周辺は、潜在ドームの隆起した影響で大地が約3度傾いてしまいました。この現状が今日の除草作業等でこれから少しずつわかると思います。
“ジオパークって何?”と多くの人が尋ねます。 “大地の公園だよ、地球を楽しむ公園だよ”と説明するだけでなく、この元幼稚園のように変動する大地を日常の空間とシンクロさせて言葉よりビジョンで見せることができる数少ないエリアの一つだと思いました。またジオサイトを維持していく難しさも短い作業時間でしたが感じました。
ぜひ、百聞は一見にしかず。ジオサイト「旧とうやこ幼稚園」へは、西山山麓火口散策路ルートからアクセス!
※ ジオサイト「旧とうやこ幼稚園」の説明は、「洞爺湖有珠山ジオパークガイド03 監修 宇井忠英氏 岡田弘氏 加賀谷仁左衛門氏」を引用しました。