食と環境・国際フォーラム後半

深夜のオリンピック観戦でブログ更新遅れました{%笑いwebry%} 帯広でのフォーラムのご報告。

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帯広市で開催された「食と環境・国際フォーラム2012」の最終日。トークセッションでは、「観光振興と情報発信」がテーマ。ファシリテーターは、首都大学東京教授で初代観光庁長官・本保芳明氏。ファシリテーターとは、議事進行の司会者。
このセッションのメンバーは、北山憲武氏(北海道観光振興機構・専務理事)、野村文吾氏(十勝バス社長)、西村紘一氏(シンガポール・プライムトラベル社長)でした。論点は、本保教授によるマーケティング分析手法であるSWOT分析から導き出されました。
論点は、「食・環境・観光のシナジー」 「帯広・十勝の観光ポテンシャル」 「知名度向上、プロモーションへのヒント」 「アクセス改善」 「人づくり、実行体制」でした。
2006年の観光消費支出は、30.1兆円だったが、23.8兆円に21%ダウンしているとの統計資料が示され、パネラーからは、東南アジアにおいて「北海道ブーム」が起きているとの報告もありました。国際観光旅行では、その国の首都に80%以上の人が訪れ、地方都市、ローカル都市には観光客が訪れにくいのが現状。しかし、日本では、北海道に20%以上の人が訪れることは大きなアドバンテージであるとのこと。
最近の航空会社LCCの話題にも触れ、日本にはハブ空港がないのが現状でありアクセス改善の重要性を論じてました。また、十勝バスの野村社長からは、2次交通の問題としてバス利用として「目的行きのバス時刻表」を作り利用者の視点に立って改善している。手段提案会社から目的提案会社へ取り組んでいる。アクセス改善のミクロ視点からのお話は参考になりました。

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人材育成をテーマにしたセッションでは、山本英明代表(山本忠信商店)、折笠健氏(折笠農場取締役)、新村浩隆氏(十勝しんむら牧場代表)、外山聖子氏(とやま農場代表)がパネラーでした。
山本英明代表(山本忠信商店)からは、十勝初の本格的な小麦製粉工場「十勝☆夢mill(ミル)」を作り、基本価値から付加価値をつけた2次加工しながら異業種との交流を深め人材育成をして帯広、十勝を元気にしたいと話されました。
十勝しんむら牧場の新村さんは、牧場内に牧場のショールーム「クリームテラス」を開店し、次世代作りを見据えた人材育成と放牧酪農の可能性について語られました。

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販路拡大・フードチェーンのセッションでは、米沢則寿氏(帯広市長)がファシリテーターとして参加しました。パネラーは、北の屋台を立ち上げた後藤健市氏(場所文化機構代表)、高杉豪氏(伊藤忠商事北海道支社長)、大見英明氏(コープさっぽろ理事長)でした。
道産子には、開拓と言うDNAがある。日本の食料自給率は約40%、北海道の自給率は170%、十勝の自給率は1100%。道産子の開拓精神と言うDNAで北海道が東アジアにおける食の研究開発、輸出拠点となるよう努力すべきだと異口同音に話されてました。
高杉伊藤忠商事支社長からは、北海道には179自治体がある。「おらが町の振興、おらが町のこと。」と考える自治体ではなく、周囲の自治体を考えながら、周辺地域から北海道全体へのコンセプトの重要性を論じてました。また、米沢帯広市長からは、十勝地域の19市町村で広域的な視点からフードバレーとして農業振興の施策をすべきとの発言がありました。「首長が変われば、施策方針も変わる。各自治体の議会ともしっかり連携を取るべきだ。」に言及してました。
2日間、フォーラムに参加し多くの方をご紹介頂きました。食・環境と観光の連携など従来の単線でない目線での議論、提案は参考になりました。十勝と西胆振では、状況も違いますが方向性は一緒のように感じました。来月の定例会では、このフォーラムでご提言があったことを自分なりに解釈して活かしたいと思います。