食と環境・国際フォーラム前半
「食と環境・国際フォーラム」が帯広市で開催され2日間参加。
帯広市で開催された「食と環境・国際フォーラム」に参加しました。メーン会場の北海道ホテルには、十勝地方を中心に道内の行政、経済、農業関係者が集まりました。国際戦略総合特区(フード特区)の認定、東アジアの市場獲得を目指す提案など多くの議論がなされました。
今回のキーノートスピーチ(基調講演)のスピーカーには、大昔に駐在していたシンガポールでの国際企業庁・東京代表、また観光振興と情報発信というトークセッションでは、当時シンガポール航空OBで日本人ルートの実力者と言われた西村紘一氏が出席するとのことで参加しました。
高橋はるみ北海道知事は、「食は、北海道の飛躍に結びつく重要な分野です。食産業立国戦略を進め、北海道の食と環境を世界に発信していきたい。」と述べました。
キーノートメッセージでは、寺島実郎日本総研理事長によるビデオメッセージ。日本の食糧自給率は、1965年は、73パーセントだったが2010年は、40パーセントだ。1次産業がGDPに占める割合は1.1パーセントだが、農業と食料が持つ重みを見失ってはいけない。
また、環境はエネルギーと表裏一体である。「バイオリファイナリー」とを提起してました。植物由来で人間が食べられないセルロース系、都市ごみのリサイクル、林業の間伐材からエタノール抽出。中東から石油を輸入して化学工業にまわす「石油化学コンビナート」という言葉があったように、今後は、植物由来の素材からエタノールを抽出し、それをベースに化学工業をまわす「バイオリファイナリー」を提案してました。なかなかインパクトのあるお話でした。
キーノートスピーチでは、タイ国大使館の商務公使のパタイ・スックソンマイ氏によるご講演。「タイの食と環境について」でした。食品工業と環境で、養鶏場では池の上に鶏を住ませて、池に落として糞を魚のえさにする工夫もされている。との報告がありました。
インドネシアからは、駐日インドネシア大使館の農水部部長のアルマン・ウィジョナルコ氏のご講演。日本のコンビニエンスストアは、インドネシア国民に受け入れられている。日本食材の需要はますます高くなるとの報告がありました。
ベトナムからは、ベトナム大使館投資促進部部長のレ・ヒュー・クァン・フイ氏によるご講演。ベトナムの投資環境状況と時期についてのマクロ的視点からのお話。
シンガポールからは、ゴ・ウィミン氏(シンガポール国際企業庁)によるご講演でした。「食品トレーダーの目から見たシンガポール」と題してお話が進められました。シンガポールの現在の状況、経済発展の状況。
シンガポールにある日本食レストランの分布図から多様な日本食がシンガポールで人気があるとのこと。自分の住んでいたリバーバレーもそのエリアにあり、懐かしくコメントを聞かせていただきました。シンガポールから活発な日本企業として「日清食品」「伊藤園」の実例も紹介されてました。
初日のエクスカーション(業務視察会)は参加できませんでしたが、2日目のキーノートスピーチでは、主にマクロ的視点からのお話でした。
フード特区では、函館エリア、札幌・江別エリア、帯広・十勝エリアが認められ、ロードマップが示されました。洞爺湖町でも洞爺地区の洞爺ブランドという素晴らしいフィールドがあります。直接は関係ありませんが、北海道の優位性、今後のアプローチの仕方は参考になるところが多々あると感じました。