地熱発電視察
経済常任委員会で渡島・森町の地熱発電所を視察し、地熱エネルギーについて所管事務調査を実施しました。
所管調査で渡島・森町の地熱発電所を視察しました。
北海道電力の森地熱発電所です。営業運転開始は昭和57年とのことでした。
北海道電力スタッフの方から発電所の仕組みのレクチャーをしていただきました。地球の内部にあるマグマから発生する熱が地下水を加熱し、高い圧力を持った熱水や蒸気をつくるのが「地熱エネルギー」です。
蒸気タービン室です。地熱エネルギーで作られた高温の蒸気と熱水を地上に取り出して、蒸気と熱水に分離し、この蒸気のエネルギーでタービンをまわして発電するのが地熱発電です。この発電出力は、5万キロワットです。
泊原発の1号機は58万キロワット、2号機は58万キロワット、3号機は91万キロワットです。お隣の町伊達市の伊達火力発電所の発電出力は、70万キロワットです。
地熱発電所のメリットとしては、地熱エネルギーは自然の恵みであり、豊富にあること。国内資源の有効な利用をはかれること。化石エネルギーを利用しないやさしいクリーンなエネルギーであるとのことでした。
欠点としては、大容量の発電ができにくいこと。調査・開発等に長い時間がかかること。周辺環境との調和を図る必要があるとの説明がありました。
地熱発電所の立地にともない、地熱発電用蒸気を利用して森町では温泉熱利用園芸ハウス施設に温水を供給しています。
温水(85度)を園芸ハウスに供給して森町では、トマトを生産しています。温泉熱を利用したハウス野菜栽培を開始し、北海道内における冬場野菜の一大生産地としての地位を確立しているとのことでした。ただ、後継者問題に直面している現状もあるとのことでした。
将来の有珠山周辺の地熱を利用した取り組みの可能性を探る視察でした。国立公園という諸々の規則があるこの地域で、すぐに地熱利用の青写真は描けませんが地熱・温泉水等を利用した農業への利用など第一歩を踏み出すことが出来るのではないかと思いました。