読売ビジネスフォーラム
武藤敏郎元日銀副総裁を講師に招いたフォーラムに参加。演題は、“日本経済の課題”。
3日(月)読売ビジネスフォーラムに参加。講師は、大和総研理事長で元日本銀行副総裁の武藤敏郎氏。会場は、京王プラザホテル。財務省事務次官経験者のお話しを聴こうと普段のフォーラムよりは人が集まったような気がします。
武藤氏は、小泉内閣の時の政権公約「国債30兆円枠」の生みの親で有名です。4年前の日銀総裁ポストでは、国会の同意を得られず退任しました。事務次官を経験し日銀副総裁として活躍した経験からの発言に、自分を含め参加者は勉強になりました。
講演中は、写真撮影が禁止なので昼食時間に撮影。
講演会では、世界経済の動向、ユーロ圏、アメリカの経済動向について言及。中国の経済成長の鈍化は、EU向けの輸出がかなり影響しているとの分析。
EUについては、ギリシャの事例を取り上げ、財政規律についてしっかりとすべき主旨の発言がありました。
講演のポイントとしては、1)持続可能な社会保障をどうやって作るか。高齢化社会に応じた社会システム作り。 2)財政再建をすすめ国債格下げを回避するため、消費税増税など放漫財政を心配してました。 3)グローバル化への対応として、TPPやFTAに参加して活路を見いだせ。 このような主旨のメッセージでした。
持続可能な社会保障としては、年金レベルの引き下げ、医療レベルから予防医療レベルにシフトすべきとのこと。
結論としてデフレ脱却は、難しいとの判断。日銀の金融緩和が不十分だからだとする見解が出ている点については、金融サイドだけで物価が上がるとは思えない。1985年から1990年代初頭のバブル期においても消費者物価は、下がっているデータを示されました。
1985年~1990年代初頭、自分も証券会社勤務で証券市場の世界にいました。確かに株価、地価は上がりましたが、消費者物価は下がっていました。そもそもインフレターゲット誘導なる政策ができるのかは疑問で自分も納得します。
今回のご講演を聴いていると、将来の社会保障と消費税の関係、財政運営戦略の文言、原発に対する考え、TPPへの取り組みなどの現状分析、将来ビジョンは、現政権執行部の基本的スタンスと一緒だと感じました。
武藤さんのような大物財務省OBで日本の金融財政政策の舵取りをしてきた方のお話しを直接聞くことは、有益で日本の中枢権力、方向性は官僚組織で持っているんだと強く感じました。
昨日から、衆議院選挙が公示されました。政治と官僚の関係も争点になっていますが、大切な一票です。ぜひ棄権せず、期日前投票もありますので、ぜひ権利を行使してほしいです。“届けようあなたの一票!”