読売ビジネス・フォーラム

本日お昼から「読売ビジネスフォーラム」に参加しました。講師は、コマツ(小松製作所会長)の坂根正弘経団連副会長でした。

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読売ビジネスフォーラム講演会に参加し、講師は、コマツ(小松製作所)会長の坂根正弘氏でした。坂根会長は、経団連副会長として財界で活躍されています。本日の演題は、「ダントツ経営~代を重ねるごとに強くなる企業を目指そう、日本国籍グローバル企業に自信あり~」です。

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会場は、札幌大通りの「東京ドームホテル札幌」でした。昼食会を含め約3時間程度のフォーラム。
演題は、「ダントツ経営~代を重ねるごとに強くなる企業を目指そう、日本国籍グローバル企業に自信あり~」で、最初にコマツの概要をお話して頂き、次に世界を基本的変化をとらえてマクロ視点で論じてました。
また、代を重ねるごとに強くなる会社をめざすとしてその為には、「ダントツ商品、ダントツサービス、企業価値とブランドマネジメント、コマツウエイ(日本国籍グローバル企業)について詳細なる例をあげてました。「日本はどうやって生きていくのか?」 「言葉が人を動かす。」といった事柄で本日の講演会を進められました。
坂根会長は、1963年にコマツに入社し、1990年コマツアメリカ社長経て、2001年に代表取締役に就任し、大規模なリストラで創業以来初の赤字に直面するものの、構造改革を断行し、翌決算ではV字回復を達成しました。2008年には、デミング賞を受賞。
デミング賞とは、戦後の日本に統計的品質管理を普及し、日本製品の品質を世界最高水準に押し上げた大きな礎となった故William Edwards Deming博士の業績を記念して1951年に創設されたTQM(総合的品質管理)に関する世界最高ランクの賞です。
坂根会長のご講話では、世界の基本的変化として短期・中期の視点から建設・鉱山機械の地域別需要構成比を資料として、日米欧時代からアジアを中心とした新興国の時代について論じてました。
興味がわいたのが、金融緩和・積極財政政策によるバブルが欧州→北米→日本(80年代後半バブル)→欧州→北米(ITバブル)→中国→北米(住宅バブル)→中国と移る経済の中心地の移り変わりです。「お金は動いている。」あらためてデータを見ながら納得しました。元証券マンとして久々にマクロ視点でのおもしろいデータを見せていただきました。
「エネルギー問題の本質と向かうべき方向」について、時間軸をベースに論じてました。石油は、42年で枯渇する。天然ガスは、60年。シェールガスは、100年。石炭は、133年。ウランは100年。現状の消費を出来る限り抑制しながら代替エネルギーを技術革新していくべきとのお話でした。
エネルギー政策につい坂根会長は、現実主義者として脱原発ではなく原子力の有効利用についてのバイアスがかかったご持論を展開していた様な気がします。もちろん後世の人たちの将来を考えてのことですが、、、。
経団連副会長のお立場から、日本企業の強みと弱みのついて論じました。組織・技術の連携の強さ。企業内においては、開発・生産・営業・サービスのクロスファンクショナルな連携。企業外では、サプライヤーとの一体化。継続的なきめ細かさとして、日本人の勤勉さ、粘り強さ、データ収集力と解析力について言及してました。
弱みとしては、経営層レベルの連携の脆弱さ。一社単独での海外進出の困難さ。行政コストや管理業務の困難さ。都市部と地方、大企業と中小企業の格差について熱く語って頂きました。
企業の目指す目標について触れ、「KOOMTRAX」というシステムで建設機材にGPSを搭載しインターネットでクライアント・代理店・コマツ本社が稼働状況を把握するシステムなどを披露し、2012年6月現在27万台の建設機材を管理しているとのことでした。企業秘密を惜しげもなくディスクローズすることに驚きました。
SMB、、、Selling:できたものを売る戦略。 Marketing:ニーズに会ったものを売る戦略。 Branding:売れ続けるための戦略。
コーポーレートガバナンスの充実。
1)取締役会を活性化すること。2)全ステークホルダーとのコミュニケーションを率先垂範。3)ビジネス社会のルールを遵守する。4)決してリスクの処理を先送りしない。5)常に後継者育成を考えること。
このコーポーレートガバナンスの充実は、地方自治体の経営にも共通するところがあるのではないでしょうか、、、。1)議会を活性化すること。2)町民とののコミュニケーションを率先垂範。3)地方自治のルールを遵守する。4)リスクの処理を先送りしない。事なかれ主義に陥らない。5)常に後継者育成を考えること。

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参加者との質疑応答で「若い人が興味のない業種は廃れていきます。今の世の中をおかしくしているのは、リーダーなき政治です。現状では、毎年、日本の会長・社長が交代しているようなもんです。日本が良くなるわけがない。」との言葉が印象的でした。経団連副会長の高尚な見識、勝ち組企業トップのお話と斟酌しても大変示唆に富む考察でした。
言葉が人を動かす。坂根会長の座右の銘は、「知行合一」でした。まだまだブログでアップしたいですが、、、、、詳細は、14日(土)の読売新聞朝刊をご一読ください。