ロータリークラブ講演会

7月8日にFAXが一枚。「平素は当会の活動にご理解、ご協力を頂きありがとうございます。この度、洞爺湖ロータリークラブの例会におきまして、22日(木)ご講演を戴きたくご依頼申し上げます。洞爺湖町町議会議員としての抱負、町づくりの考え等をお聞かせ頂ければ幸甚です。昼食後、30分ほど、お話を伺えればと思います。」本当に驚きました{%トホホwebry%}
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本日22日(木)洞爺湖万世閣例会会場にて、「洞爺湖周辺地域の観光振興について」と題して講演をいたしました。大変生意気とは思いましたが全てが経験ですので、第2510地区(第9分区)洞爺湖ロータリークラブでお話し致しました。本日は、講演会の全文を掲載します。忙しい方は流して下さい。お時間のある方は一読してメールでも頂ければありがたいです。長いですよ。覚悟して下さい{%アッカンベーwebry%}
ただいまご紹介にあずかりました下道英明でございます。若干、風邪声でお聞き苦しい点がありますがご容赦ください。本日は先ず、洞爺湖ロータリークラブさんに心から感謝申し上げたいと思います。日頃、ロータリアンの皆様が社会奉仕をされていること大変心強く思っております。加えて私自身を例会にお招き頂いたことを、重ね重ねお礼申し上げたいと思います。
三浦昭三先生、吉田会長から「町会議員として、町づくりへの考えを話しなさい。」とのお話がございました。6本スポークの歯車がエンブレムであります有名なクラブでどんなお話ができるのか、悩みましたが、、、、先月6月23日の議会定例会で一般質問した事柄からを踏まえて「観光の振興について」お話しをさせて頂きます。
私は帰省するたびに元気がなくなるふるさとに不安を覚えました。洞爺湖、噴火湾、有珠山 この素晴らしい地域資源を再認識できないか、洞爺湖を訪れる海外のお客様が多く来てるのに、もったいないなーと常々思いを抱いておりました。同級生、同窓生の多くがこの町で観光産業関連を生業(なりわい)としています。「近くだから見えないもの」「遠くにいるから見えるもの」 観光は変わりました。観光振興のやり方が変わりました。何のための観光振興なのでしょうか。あらためて私達は認識する必要があろうかと思います。特に人口減少社会、少子高齢化社会、そして、20年後、観光を主産業とする洞爺湖町にどれだけの人が住んでいるか、20年後に洞爺湖町に明るい未来があるのか。同級生、同窓生の多くが一緒に子どもと住み、孫と住めるのか、子ども達の将来の職場があるのか。観光は変わったという認識をしっかり持って、観光の振興についてやり方が変わったのだということを、これは行政、民間一緒になって考えていかなければなりません。この思い、決意からただ今、皆様のおかげで議員活動させて頂いております。
北海道の観光は大きな大きな可能性をひめております。道内の観光経済規模は、観光白書では約1兆3千億円です。道内の一次産業の農業の産出額は、約1兆1千億円です。観光では、北海道は、極めて大きく伸びていく可能性があります。観光振興が当町の成長戦略の一丁目一番地であります。
観光は変わりました。観光振興のやり方が変わりました。もう洞爺湖にかっての団体旅行は戻ってきません。 1990年 個人客の割合は43%でした。2007年 個人客の割合は72%にまで増えました。1990年 団体客の割合は40%でした。2007年 団体客の割合は20%にまで減りました。団体型の旅行から個人型の旅行に変わりました。
ここにJTBの民間宿泊についてのデータがございます。宿泊施設の1泊2日の宿泊単価でございます。九州の有名な湯布院:1泊2日2万2356円 登別:1泊2日 1万3097円洞爺湖:1泊2日 1万1316円
湯布院の宿泊単価は、登別の1.7倍、洞爺湖に至っては、1.9倍、約2倍でございます。宿泊の構成人数は、湯布院が1名~2名で42%登別は、28%洞爺湖は、21%です。15名以上の団体は、湯布院が8%登別は23%洞爺湖は29%でした。
旅館・ホテルの宿泊単価についてですが、宿泊客にアンケートをとったところ、宿泊施設で観光地を選択していないということです。宿泊単価は旅館・ホテルの個々の評価ではなく、観光客は地域を評価しているのであり、地域ブランドとして評価しているのであります。洞爺湖の宿泊単価は、洞爺湖温泉の宿泊施設を評価しているのではなく、私達の地域洞爺湖を評価しているのです。
観光は変わりました。観光振興のやり方が変わりました。この大きな変化の中で、設備投資をすでにしている旅館・ホテルの施設は変わることは出来ません。しかし、私達、地域は変われます。変わることが出来ます。最近の観光のキーワードはというのは、「人のふれあいです。」町歩き、市場、商店街、出会いの中で、「地域の暮らし、暮らしを支えるヒト」の表情を見に来るのが最近の観光の主流ではないのかと思います。観光施設の箱物を見に来るのではなく、そこでガイドをしている人、案内している人、観光施設周辺で働いている人、こういった方達の表情、笑顔を見に来ると思っております。団体型の観光から個人型の観光へ観光が大きく変わりました。従来の観光振興のやり方も当然変わります。洞爺湖町全てが観光の素材であり、コンテンツであり、温泉地区、本町地区、洞爺地区すべてが町の中すべてが観光であり、「まちじゅう観光」なのであります。「まちじゅう観光」が大事なのであります。
行政や、観光関連の皆さんが一生懸命観光施設マップを作ったりいたしますが、もうほとんど必要ありません。自分もそうですが、旅行に行くときはすでにインターネットなどで箱物施設などの情報は入手しております。一番大事な情報は地域の人々が発信している生の情報であり、口コミの情報です。観光マップに力を入れるより、宿泊施設、飲食店店舗に関係者が直接行って、旬の情報をネット、ウエブであげる方が費用も少なく、効果的です。「人間中心のまちづくり」「生き生きとしたまちづくり」「顔の見えるまちづくり」が大切です。行政は、地域住民への公共的サービスの提供はもとより、いかに定住人口、交流人口を増やしていくか行政の求められるニーズも変化してきました。観光振興を通じて「元気な町づくり」ができるものと信じております。
私はこの度の議会 定例会の一般質問において観光振興について、4点お伺いしました。1)JR洞爺駅の活性化。
2)「洞爺湖芸術館」・「史跡入江・高砂貝塚」など観光資源の再認識、利用促進。3)ジオパーク認定に伴う海外旅行者への対応としての既存施設の有効利用。4)北海道登別洞爺観光圏の見送りによる戦略の見直し。この4点で、一番気になることは、いわゆる西胆振の広域観光圏についてです。私は、先の一般質問で、「北海道登別洞爺観光圏」の4月での見送りを踏まえ、ぜひ、関連3市3町(登別市、室蘭市、伊達市、洞爺湖町、壮瞥町、豊浦町)に広域観光圏認定の戦略見直しを求めていただきたい要望しました。
具体的には、従来の胆振地方の観光圏だけではなく、後志地区のニセコ、羊蹄エリアを含めた広域観光圏を構築されることをご提案しました。「北海道洞爺登別ニセコ観光圏」の提唱であります。
現在、全国に観光圏認定地域は45カ所あります。北海道では5カ所で知床観光圏 さっぽろ広域観光圏、富良野・美瑛観光圏 新たに「はこだて観光圏」、「釧路湿原・阿寒・摩周観光圏」が認定されましたが、認定された地域を見ますと、さっぽろ広域観光圏は例外として、その他の4地域は、国立公園、国定公園、道立自然公園が2つ以上重なる地域に多いように思われました。提唱させて頂いた、北海道洞爺登別ニセコ観光圏 となれば、支笏洞爺国立公園、ニセコ積丹小樽海岸国定公園をカバーし複数の観光地が連携して2泊3日以上の滞在型観光、着地型観光を目指す「観光圏」の形成を促進すると考えました。
すでに北海道洞爺登別ニセコ観光圏を先取りした施策がおこなわれているケースもございました。シーニックバイウエイ北海道の取り組みであります。シーニック(景観の良い)、バイウェイ(脇道、寄り道)といった意味の造語でありますが、主に自動車の走行する道路からの視点で、景観、自然、文化、といった要素によって観光や地域活性化を行っております。北海道ではすでに7つのルートが指定されております。とくに、7年前に「支笏洞爺ニセコルートと大雪富良野ルート」が指定されております。この「支笏洞爺ニセコルート」を土台に胆振、後志の行政の垣根を越えた観光圏の構築は可能と考え、提唱いたしました。
従来通りの「北海道登別洞爺観光圏」の原案を踏襲し、お役所仕事で多少の計画修正だけでしたら、なかなか厳しいと申し上げました。。洞爺湖、登別地域で2泊3日以上の滞在型観光を目指すには距離的にも近く、観光資源の差別化が難しく、現状のツーリズムの枠組みでは無理があるとお伝え致しました。さきの宿泊単価の金額を見れば歴然としております。
もしも、2年連続して観光圏認定が見送りになれば、1) 宿泊施設に係わる設備投資に対する財政投融資の活用
2) 周遊割引券の導入に係わる運送関係法令の手続緩和 3) 観光旅客の来訪・滞在の促進に効果や成果の見込まれる事業に係わる補助金の交付(補助率上限40パーセント) 4) 着地型旅行商品の販売に関する流行業法の特例の恩恵が受けられないことです。とくに、着地型旅行商品の販売に関する流行業法の特例などは、「旅行業者だけに認められている旅行商品の販売を、圏域内の周遊ツアーなどに限って旅行・ホテルなどができるようにする。」など、補助金云々よりも計り知れない観光振興につながると確信しております。従来の発想を基にしての整備計画及び実施計画の見直しではなく、大胆な発想、で北海道洞爺登別ニセコ観光圏を提唱させて頂きました。
また、ジオパーク認定に伴う海外旅行者への対応としての既存施設の有効利用をお訴えいたしました。具体的には、ジオパーク認定により地質学研究者、海外研究者の来町増加傾向を機に、「みずうみ読書の家」など既存施設を「日本一の地質学関連の蔵書が多い図書館、地質学の外国文献の多い図書館」など特長ある地域の拠点となるような整備を進めるべきとご提案致しました。
観光情報センターを外国人研究者、旅行者、町内外国研修生の表玄関(ゲートウェイ)として、インバウンドの旅行者をも取り組む工夫をすべきである。観光情報センターでの外国人旅行者が急速に増えています。とくにバックパッカー(リュックサックを背負って移動する旅行者)が急増しています。私もこの一ヶ月で数十人のヨーロッパ人、アメリカ、アジアの方達のお手伝いをしました。バックパッカーのほとんどは、ジオパークに大変興味を持っている人たちでした。また、アジアの団体の方も増えてます。観光情報センター内にある、「みずうみ読書の家」が地質学の文献、地質学の外国文献に特長あるライブラリーであり、また、国内外研究者限定のジオパーク研究スペースを提供できる環境になれば、アカデミックなセンターとして観光振興に役立つとお話ししました。
議会での答弁では、「噴火災害時にロータリークラブから図書の整備をはかってくださいといこうとで、寄付を頂き、今年度から4年ぐらいで整備を進める。ロータリークラブの寄付を中心に進めていきたい。」とのことでした。ロータリークラブの皆様にあらためて、お礼を申し上げます。ありがとうございます。
観光振興について、稚拙ではございますが、私なりの考えを述べさせて頂きました。1)何のために、観光に取り組むのか?2)何を目標にするのか?3)誰が担うのか?4)持続的なとり組みにするにはどうしたらいいか?
言い換えるなら、ロータリークラブの4つのテストであります行動基準にある、1)真実かどうか?2)みんなに公平か?3)好意と友情を深めるか?4)みんなのためになるかどうか?
ロータリーの標語であります。[ Service Above Self ] この思いをこの地域に住む私達がしっかり共有すれば、地域は変わります。元気な洞爺湖に生まれ変われると信じております。長時間、ご静聴ありがとうございました。
講演会終了後、生駒時計店のオルゴールを頂きました。ロータリークラブのシンボルマークが入っておりました。初めて人前で講演する機会を頂き大変感謝しております。このオルゴールは一生の宝物です。
本日は、最後まで一読頂き有り難うございました。{%ブロっくまよろしくdeka%}