「がん対策」道民フォーラム
「がん対策」道民フォーラムに参加しました。「北海道がん対策条例セミナー」の勉強会でした。
本日、ガーデンシティ札幌で「がん対策」道民フォーラムが開かれました。主催者を代表して、滝口信喜道議会議員から「北海道がん対策推進条例」制定へのタイムテーブルをお示しいただきながらご挨拶がありました。
基調講演は、国立病院機構・北海道がんセンター院長の西尾正道先生による「がん対策の現状と条例に求めるもの」でした。
西尾先生のご講演では、「検診で見つければ5年後の生存率に大きな差がある」 「厚労省の医療費政策」「緩和ケアの概要」「道内のがん検診連携拠点病院の現状」「抗がん剤とは?」「生命哲学、、、」についてのご講話でした。
基調講演の後、滝口道議がコーディネーターになりパネルディスカッションが行われました。パネラーは、西尾正道先生(北海道がんセンター院長)・柴田岳三先生(緩和ケアクリニック・恵庭院長)・坂下智子さん(卵巣がん体験者でリレーフォーライフ石狩実行委員長)・大島寿美子先生(北星学園大学文学部准教授)・石本みずえさん(北海道保健福祉部健康安全局参事)でした。
昨日でパブリックコメント(意見提出制度)が終了したとのことです。来年2月北海道議会が召集され、「北海道がん対策推進条例(仮称)」が制定される予定です。基本的な施策は、予防の推進・早期発見の推進・医療水準の向上と均てん化・緩和ケアの充実・医療従事者の育成確保・がんに関する状況の提供・患者等への支援・がん登録の推進・道民運動の推進・研究の促進・財政上の措置などに取り組む条例です。
メディアも注目しており某TV局がずっとシューティング(撮影)してました。
印象に残った西尾正道先生のプレゼンでは、「医療とは結局経済で動いている。」でした。具体的に、DPC(診断郡分類別包括制度)による諸問題など具体例でのお話がありました。また、「国民1人が一生に使う医療費の約半分は死ぬ直前の二ヶ月に使われる。」とのお話がありました。元証券マンとしては、医療も経済原則が大前提であることを当たり前のことですが思い知らされました。
基調講演で西尾先生は、「死生観の共有と科学・医学行政学の構築が必要で、効果・費用分析の視点も導入した医療システムが必要である。」と結びました。来年、「がん対策推進条例(仮称)」が制定されます。法律を作っただけでは「がん対策」にはなりません。市町村レベルでこの条例を読み解き、がん対策への啓蒙を深めていくことが大切と思い会場をあとにしました。